洗浄のお話の5回目です。
今回は「変わり種」の洗浄方法をご紹介します。
それはプラズマ洗浄です。
お聞きになったことはあるでしょうか。
これまでお話してきた洗浄はいずれも何らかの洗浄液・洗浄剤を使用することを前提にした洗浄方法でした。
言い換えると「ウェット洗浄」という言い方をします。
工業用洗浄工程の場合、80~90%がこのウェット洗浄です。
これに対してプラズマ洗浄は液体を全く使用しない「ドライ洗浄」です。
きわめてニッチで特殊な洗浄方法ですが、これも洗浄です。
いくつかの方式の違いがありますが、最もスタンダードなのは真空プラズマ洗浄という方式です。
どういう方式なのかを簡単に説明します。
真空チャンバーというボックスの中に洗浄したい部品や製品を投入します。
続いて5~20分程度の時間をかけてチャンバー内の空気を抜いて減圧していきます。
一定の圧力になるまで減圧した後、酸素やアルゴンなどの気体をチャンバー内に注入します。
そのあとチャンバー内に設置した電極で高圧の電気を瞬間的に流します。
するとチャンバー内に封入した酸素やアルゴンなどの気体がプラズマ化します。
プラズマ化した気体はプラスイオンとOH基に分離します。
この遊離イオン化した気体が部品表面に付着した微細な有機物を引きつけ、部品基材から有機性の不純物を除去するのです。
このあと再度ガスを抜くためチャンバーを減圧して、さらに常圧にもどすため5~20分かけて復圧して洗浄が終了します。
この洗浄方法は万能スタンダードな洗浄方法ではありませんが、ウェット洗浄では取り切れない微細な有機物や雑イオンの除去に極めて高い効果を生みます。
実際に当社が導入した実績としては、シリコンゴムなどの極性の低い樹脂の超精密洗浄、水晶振動子など無機基材に付着した有機物や微細パーティクルの除去などです。
このプラズマ洗浄には、洗浄のほかに洗浄の対象となる部品の「表面改質」を期待することもできます。
洗浄より基材の表面改質を目的に導入するお客様もあります。
プラズマ処理することで基材の濡れ性をコントロールして、親水性や、逆に疎水性を付与することができます。
どのような表面改質を狙うかはガスの種類の選択によります。
ドライ洗浄の方式的バリエーションとしては、今回詳述した真空プラズマのほかに、常圧プラズマ方式、コロナ放電方式、イトロ処理、UV照射方式などがあります。
さて最後に、前回もお話しましたが、洗浄工程はQCD(品質・コスト・安定性)全てが整わないと必ず失敗します。
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