油性塗料
乾性油と天然樹脂とを主成分とした塗料を総称して油性塗料といいます。その主なるものは油性ペイント、油性エナメルであり、油性ペイントのビヒクルはボイル油であり、油性エナメルは油性ワニスです。ボイル油と油性ワニスの相違点については、次のようになっています。
ボイル油ー 油(原則として溶剤を含まない)
油性ワニスー 油+樹脂+溶剤
油性塗料の特長としては、次のことがあげられます。
長所
1.作業性が良く、特にはけ塗りに適している。
2.揮発成分が少ないため1 回で厚塗りができ、ピンホールの発生も少ない。
3.塗装に及ぼす温度、湿度の影響も少ない。
4.鋼材表面に対するぬれが良いので、素地によく付着し、さび止めの効果もある。また、他の塗膜の上にも比較的よく付着するので、塗替え、塗重ねが容易である。
5.塗膜はたわみ性、耐候性が良好である。
欠点
1.乾燥が遅い。
2.塗膜はやわらかく、耐溶剤性、耐アルカリ性、耐薬品性が劣る。
3.黄変しやすい。
ボイル油および油性ペイント
乾性油(あまに油、きり油など)または半乾性油(大豆油など)を加熱重合し乾燥剤 を添加したものをボイル油と呼び、亜鉛華、チタン白、ベンガラなどの顔料と練り合せてできたものが油性ペイントです。
油性ペイントは乾燥は遅いが作業性はよく、耐候性にすぐれているので、鋼材、木材などの構築物の屋内外に用いられています。
堅練ベイントは顔料をボイル油または精製油でベースト状に練り合せた塗料で、塗装者がこれにボイル油、油ワニス、乾燥剤、溶剤などを調合して使用します。
下地塗り、変り出塗りの材料として使われています。
油性ウニスおよび油性エナメル
油性ワニスは樹脂と乾性油を熱重合し、ミネラルスピリット、乾燥剤を添加して作り、油の量の多さを示す油長によって表 1-4のように区分しています。
また、油性ワニスをビヒクルとして顔料と練り合わせたものが油性エナメルです。
①スパーワニス:油溶性フェノール樹脂ときり油などを原料とした長油性ワニスで、屋
外用として使用されます。
②コーバルワニス:コーパル樹脂を使用した中油性ワニスで、家具、屋内用に使用され
ていたが現在、樹脂ワニスに変わってきています。
③ゴールドサイズ: コーバルを使用した短油性ワニスで、木材のワニス仕上げの下塗り
用として使用されています。
④つや消しワニス:微粒子シリカなど、つや消し剤を含んだワニスで、家具、内装など
に使用されています。
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