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エアスプレー塗装

エアスプレー塗装

エアスプレー塗装は、塗装が近代化された塗装法です。 乾燥の早いラッカー系の塗料を自動車塗装に使ったのがはじまりといわれています。 エアスプレーは、これまでのはけ塗りに比較して、塗装仕上げ面および作業能率もすぐれており、現在もっとも広く普及している塗装方法です。原理は、塗料を圧縮空気の力で微粒化するとともに噴射空気とともに被塗物に吹き付けて塗装するものですが、反面オーバースプレーによる塗料の飛散と塗料の損失が大きくなる点が大きな欠点といわれています。


エアスプレーガンの種類と構造

エアスプレーガンには大きく分けて、内部混合方式スプレーガンと外部混合方式スプレーガンがあります。内部混合スプレーガンは、スプレーガンの先端内部で塗料と空気を混合して霧状にするものであり、外部混合方式は、空気キャップの外で塗料と空気を混合して霧状にするもので、一般塗装用には外部混合式スプレーガンがほとんど用いられており内部混合方式スプレーガンは、特殊塗料、高粘度塗料の吹き付けに用いられています。





エアスプレーガンの種類としては、重力式、吸上げ式、圧送式がありますが、少量塗装の場合には重力式、吸上げ式を、大量工業塗装の場合には圧送式を用います。ノズルの口径は表のように各種ありますが、0.5~0.7mmはステイン、1~1.5mmはラッカーや合成エナメル、2~2.5 mmはプライマーやサーフェーサーなどの下地塗料の塗装の場合に使用します。


エアスプレーガンの取り扱い

ガンの調節とテストパターン

塗料の調整がすんだら、濾過 (麻布紙等で)しカップに移します。 次に紙などを用意し、パターンテストをしてみることが大切です。これはパターンの大きさと噴出量の関係を見るためのもので、うまくバランスがとれていると良好なパターンが得られますが、調整が不適当ですと塗面がざらついたり、タレたりします。

塗料粘度、吹き付け圧力のチェックが済んだら、標準吹付け距離を保ちながら引き金を完全に引き、直ちにもどすと、パターンの形状がわかると同時に、微粒化の度合い、吹き出し量の多少がチェックできます。




狭い面の場合は、まず塗料調整ネジを全閉から半分ほど開き、次いでパターン幅を設定し、ためし吹きします。 希望するパターン幅が得られたら、塗面のざらつき、タレぎみの状態に応じてもう一度噴出量を調整します。

一般に塗装距離を15~20cm に保ったときのパターン幅は約12~13cmになれば理想的です。

また、全面塗装の場合、パターン調整ネジを全開にして、ためし吹きをし、塗面がざらつくときは噴出量を増すか、パターン幅を若干小さくするように調整します。

理想的なパターンは、塗装距離を15~20cmに保ったとき、パターン幅は約22~23cmになればよいでしょう。


エアスプレーガンの操作

①スプレー距離

吹き付け距離が遠くなるとパターン開きは大きくなり、塗膜は薄く塗料損失が多く、 また近づけ過ぎるとタレを生じます。


②被塗物と直角に、平行にスプレーの運行は必ず塗面に直角に平行することが大切であり、手首だけで運行するのは部分補修の場合だけです。

③ガンの運行速度

スプレーガンの運行速度は通常,毎秒60~70cm程度の速さが適度であり、不規則な運行やーケ所で止めたりすることは禁物です。

④引金操作

ガンのストローク (運行幅)は塗装すべき面のストロークより5~10cmほど長くとり、塗装するべき面で引金を引きます。 1回通過し終えるたびに一瞬引金を離して、反転運動

にはいる直前に再び引き金を引くガンさばきが必要です。


⑤塗り重ね幅

パターンには有効塗装幅があり、その外側には薄い部分があるので、その部分の塗り合わせを行ない、塗膜の厚さを均一にしなければいけません。 塗り合せ間隔は、パターンの

形状により異なりますが、長方形のパターンでは 1/3~ 1/2、円形パターンでは1/2 が適当です。

⑥塗装順序

垂直面での横塗りは、上から下へガンを平行に移動させていきます。 最初と最後のストロークは、パターンの上半分、下半分が塗装面よりはみ出るようにします。 これでシングルコートができました。

⑦シングルコートとダブルコート

シングルコートを2回続けて行うのをダブルコートと呼びます。 ラッカー系の上塗りには大体2~3回のダブルコートが必要です。




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