今回からシリーズでアップル液についてお話して参ります。
アップル液というのは当社で開発した鉄材・鋼材への「表面処理剤」・「塗装の前処理剤」のことです。
またアップル液を使った表面処理の工程(プロセス)のことを「アップル・ハイブリッド・システム」といいます。
「表面処理剤」とか「前処理剤」とか、専門用語が並んでいますが、心配ご無用。
これからわかりやすく解説していきます。
まず「素材の基礎知識」についてお話します。
そもそもどうして金属、特に鉄材・鋼材に「表面処理」が必要なのでしょうか。
人類の歴史の中で最も古い道具は石器でできていたようです。
それが青銅器に代わり、そのあとで鉄器の時代がやって来ました。
紀元前500年ごろのことだといわれています。
この鉄器の登場によって古代国家が成立したといっても過言ではないようです。
オリエント初の統一王朝であるアケメネス朝ペルシアや、インドのマウリヤ朝、中国の秦王朝などは、ほぼ同時期に鉄器の出現とともに成立したそうです。
秦の始皇帝も鉄という素材無くしては存在しなかったかもしれませんね。
このように人類の歴史に深く根を下ろし、現代の私たちの生活にとっても最重要の素材が鉄なのです。
ちょっと考えてみただけで、鉄橋、鉄道、ビル、自動車、フライパンや包丁などの調理器具、パソコンやスマホの筐体や内部部品などなど、ありとあらゆる分野で鉄は使われています。
鉄の精製は「精錬」とか「製鉄」と呼ばれ、鉄鉱石から還元反応で酸化鉄から酸素を除去することで鉄が取り出されます。
この精錬方法はアルミニウムやチタンと比べて、科学的に小さなエネルギーで反応を進めることができます。
つまりアルミやチタンよりずっと簡単に成分を抽出して、様々な加工できるのが鉄なのです。
この簡単な製造方法、加工方法が、現在までの鉄の普及に決定的な役割を果たしたのです。
価格もアルミなどの非鉄金属に比べるとずっと安価です。
ちなみに2017年の国別の粗鋼生産量は中国です。
8億3千万トン余りで断トツのトップです。
第二位は我々の日本ですが、1億トン程度で8分の1程度。
中国に大きく水をあけられています。
中国が「世界の工場」と言われる理由が素材面でも浮き彫りになりますね。
さて、これだけ便利に加工出来て、その上安価な素材、鉄。
しかしこの便利な鉄の最大の弱点、それは錆び易いことです。
鉄は酸素と非常に結びつきやすい性質を持ち、これが錆び易い原因になっています。
つまり鉄は放っておくと必ず錆びる。
この弱点を対策するためには必ず「表面処理」が必要となるのです。
「表面処理」というと難しく聞こえますが、要するに鉄を錆びさせないための対策のことなのです。
もう少し専門的に表現すると、鉄の表面に何かの膜を作って酸素を遮断させて酸化=錆の発生を防ぐことを「表面処理」とご理解いただいて結構だと思います。
ようやく今回のブログの冒頭で触れた、当社で開発したアップル液は鉄材・鋼材への「表面処理剤」・「塗装の前処理剤」のことです、という内容に近づいてきました。
そこで今回のまとめです。
① 鉄は安価で簡単に加工できる、とっても身近な金属素材
② でも最大の弱点は錆び易い(酸化しやすい)
③ そのため金属の表面を皮膜処理して錆を防ぐ必要がある
次回はいよいよ鉄の「表面処理剤」であるアップル液についてお話します。
アップル液の実験動画は下記のアドレスからアクセスしてください。
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