top of page

塗料の樹脂(レジン)のあれこれ vol.4 ウレタン編

さて、これまでのエポキシ、アクリルに続いて、今回はウレタン樹脂塗料についてお話します。

今回のウレタンもさまざまな場所で活躍しているスター選手の一人です。

それでは早速ウレタン樹脂塗料の特長です。

(1) 柔らかく柔軟性に富む

(2) 常温硬化(自然硬化)型である

(3) 素材との相性が良く密着性が高い

(4) 比較的塗膜の厚さを厚くできる

(5) アクリル樹脂が比較的容易にウレタンと変性できる

ウレタンといえば何といっても柔らかさと常温硬化です。

塗膜をわざとクッション性を持たせて柔らかく設計して、強い力を逃す機能を付与することができます。

ちょっとわかりにくい表現になり申し訳ありません。

もっと具体的に話をすると塗膜についた傷が復元するような機能性塗料になります。


たとえば砂浜での記念撮影、砂がついてせっかく買ったばかりのスマホが傷だらけ…そんな経験はありませんか。

そうした時にこの傷を復元する塗料が塗ってあったらうれしいと思いませんか。

次に膜厚。

ウレタン塗料の平均膜厚は一般的に20~30ミクロン程度。

ところでミクロンという単位は千分の1ミリ。

20~30ミクロンという膜厚は、0.02~0.03ミリになります。

すごく薄く感じますよね。

でも一般に塗料の平均膜厚は5~15ミクロンですから、これでも塗料としてはより平均1.5~2倍厚く塗れる、ということになります。

この厚みがクッション性をさらに高めます。

そしてアクリル樹脂でも述べた「変性させる」という魔法。

前回のおさらいになりますが、アクリルの良さは紫外線に強いこと。

ウレタンは硬化剤を混ぜて常温硬化する特性を持っています。

こうしてアクリルとウレタンのイイトコ取りのハイブリッド塗料が出来上がります。

アクリル変性ウレタン塗料とか、単にアクリルウレタン塗料と呼ばれる塗料です。

アクリルウレタン樹脂は応用範囲が広くとても優秀なコーティング剤の原料です。

最も身近なところでは、車内のカーナビの枠やフロントパネルなど、強烈に紫外線が入ってきて、かつプラスチック素材にはほぼ100%このアクリルウレタン塗料が塗られています。

色々な塗料樹脂の性質がわかってくると、製品に付加価値の高い機能を簡単に付与できます。

少しでもこの面白さが伝わったら幸いです。

ケミカルであなたのニーズを開発します!!!!!

「機能性塗料」って面白い!!!

閲覧数:187回0件のコメント

最新記事

すべて表示
bottom of page